100枚のRAMONES Tシャツを見てくれてありがとう
まずはRAMONES Tシャツ100枚展を見にきてくれた皆様、日比谷まで足を運んでくれたロック・ファンの皆様、本当にありがとうございました。
この企画、果たして人は来てくれるのだろうか? 古びたTシャツを洗濯を干すように100枚並べたところで、ラモーンズ・ファンは興味を持つのだろうか。毎日自宅でTシャツの山に埋もれ、年代順に並べたり、バック・プリントがある物と仕分けしたり。バッタもん(ブートT)が急にカッコよく見えている今に驚いたり、と100枚どころか軽く200枚以上はあるTシャツと戦っていて正直、予想もつかなかった。
でも、いざ初日を迎え、エレベーターのドアが開くと、熱心なロックTシャツ・ファンが平日にもかかわらず続々とやって来てくれた。関東だけではなく、新幹線やバスで地方からも。会場はあっという間にロックの話が飛び交った。みんなROCK Tシャツが好きだった。
バンドTシャツは自分のアイデンティティー。だからラモーンズ・ファンはもちろんだけど、GREATFUL DEADが好きで5000枚くらい持っているというコレクターの方も来てくれて、この展示を「素晴らしい」と言ってくれた。そこからデッドやサンフランシスコの話に飛んだりのロック・トーク。昔はPANTERAが好きだったけど、RAMONESを聞いたらハマったという彼女は、着無くなったPANTERA TとRAMONES TでリメイクしたオリジナルTシャツを着て来てくれた。「僕の作ったRAMONES Tも見てもらいたくて」と持ってきてくれた人もいたので、特別コーナーを作って飾った。集まるロック・ファン達とロックの話をしまくる時間。まるでここは『ロックンロール・ハイスクール』なの? って感じ。
全てのTシャツには一枚、一枚、コメントをつけた。思い出や感想を正直に書いてもらって。バック・プリントを見せるために、マジックハンドと棒を置いた。「これでペラっとめくって裏を見てね」と。でも、そんなふうに100均で買ってきた小道具を置いたけど、準備している時は、(多分、誰も使わないだろうな)と思ってた。でもマジックハンドも棒もフル稼働でみんなバック・プリントをめくって熱心に見てくれていた。その光景にちょっと感動。ロック・ファンとラモーンズ・ファンのTシャツ愛を凄く感じられたから。
普段、自分が行く個人ギャラリーのイメージって、一通りぐるっと見たら、あまり長居せずに「いいもの見たなあ」と去っていく。そんな風になるだろうと思ってた。でもみんなじっくり見ていた。このビルは元々有名な中華のお店だったので設置させてもらった「慶楽」の椅子に座って「No. 1 Tシャツ選手権」の1枚を選ぶのに本気で悩んでくれていた。
店内にはニューヨークで撮影した『激情』のレンガの壁をタペストリーにして貼り付けて写真スペースも作った。RAMONES Tシャツを着てきてくれた人を撮影し、ファンクラブのYouTubeチャンネルで『アド街ック天国』のラストのgood girlコレクションみたいなのを作ろうとDJ YUGO君が4日間ずっと撮影してくれた。あとで感想を読んだら、「Tシャツ着てこなかったけど私も撮りたかった」と書いていた人もいて、もっと自由に撮ってもらうようにすれば良かったね。反省。
このレンガの壁が「ファーストと少し違うのはなぜですか?」 と質問されたのでここで答えます。ラモーンズがこの壁でファーストの『激情』の撮影したのは1974年。私が撮影したのは2004年。この30年の間に劣化した煉瓦をオーナーが取り替えたり、付け足したからです。でもこの場所には間違いない。
1974年に撮影を見ていたイーグル・ロゴデザイナーのアートゥロ・ベガが私の目の前で壁を指刺して「ここ」と言ったから。しかもここは彼が住んでるマンションの壁です。ラモーンズの撮影は雑誌PUNK マガジン用で本当はファーストのカバー用に撮ったものは別にあったことは知ってるかな?
このDIYギャラリー、ラモーンズの写真が一枚も飾られていないことに気がついた? 写真は入り口で配布した私の撮ったポストカードの写真のみ。だから店内にラモーンズはいなかった。にもかかわらず来てくれた人は「RAMONES愛に溢れている」と感じてくれていたようで、それだけTシャツたちにエネルギーがあったんだと思う。本当は写真もポスターも用意していたけど、もうスペースがなくなっちゃって...と言い訳。
何もない建設中のビルの一室が、この4日間だけはRAMONESフレーバーいっぱいの空間になった。ここで何かやろうと決めたのは、ビルのオーナーさんが屋上も見せてくれて「やってもいいよ」と言ってくれたのが発端。屋上を見た瞬間、ビートルズの『ゲットバック』が頭をよぎり、ライヴもやりたくなってしまい、温めていた企画の一つ、ラモーンズのTシャツを一気に並べる企画と合体させて実現させよう!! と、後先考えず決めた。
出演バンドもすぐにひらめいて、ザ・レッツゴーズのCOCOちゃんとラモーンズのギターを聴かせてくれる西君のスペシャル・ユニットでブッキングしたくなり連絡してもらったら直ぐにやってくれることになった。もう一組はやはりラモーンズのこと、バンドのことをよく分かっているチャイルディッシュ・トーンズのネモト君とRock-A-Poppyのふたり。この2組はいつものライヴではなく、スペシャルな演奏だったから演者の皆さんの準備も大変だったと思う。しかも屋上。しかも簡易セットのPA。本当にありがとうございました。
ライヴ・レポートはあらためて来週RFCJのニュース&ブログで書くけれど、たくさんライヴも見てきたし撮って来た。けれどこの夜のライヴはずっと忘れられない素晴らしい時間になったのは間違いない。パンク雑誌『Bollocks』にもレポートが掲載されるのでチェックしてください。
「存在しないバンドの歴史をTシャツで見せることができるかも」と考えた時、オールド会員3人(渡辺君、堀内君、ゆりちゃん)に声をかけたら、あっという間に70枚集まった。3人の思い出やコメントも集め、自分の思い出やコメントを追加し一枚一枚書いてTシャツに貼りつけた。
家の中は毎日Tシャツだらけで足の踏み場もなかったし、CJのベースの盗難事件が常に頭の隅にあり、Tシャツを盗む奴がいるかもしれない、という心配でセキュリティの方法もあれこれ考えた。何もない更地の建設中のビルをどうギャラリーに仕立て上げるか、Tシャツは当初貼り付けてもすぐに滑り落ちてしまい、(どうしたらいいんだろう? )と展示方法もトライしまくってあの形になった。
オーナーさんは場所を提供してくれるだけではなく、通訳からPAまでサポートしてくれた。ラモーンズ・ファンクラブのスタッフは献身的にRFCJの作った空間の為に毎日集合してサポートしてくれた。来てくれたお客さんには声をかけ、なぜか帰るお客様を拍手で送り出すというルーティンまで出来ちゃって楽しい感じを演出してくれたと思う。
RFCJのスタッフ、DJ YUGO、ジョニ男、堀内くん、ゆりちゃんとモモちゃん、YOKO Ramone、香ちゃん、キクゾー(Ken)、赤尾さん、ビルのオーナー、ショーカイ君、司会も務めてくれたTamu Ramone、Tシャツ展を叱咤激励してくれた旦那、みんなに感謝です。
司会を務めてくれたTAMU RAMONEは最初の挨拶の時に「私は会員番号○◯番」と必ず自分の会員番号を言ってから始めた。そこにRFCJのメンバーのポリシーを感じてカッコよかった。メンバーが全員死んじゃって、もうファンクラブなんて辞めてもよかったけど、「周りにラモーンズ・ファンがいないから、ファンクラブに入りたい」というメールが届くとまるで20代の自分に出会ったみたいで辞められずいつの間にか昨年30年を突破。ラモーンズが好きな仲間が常に応援してくれるからやれたし、やってきて良かった。
RFCJの会員やロック・ファン、ミュージシャン、ゲスト、お仕事の仲間、映画監督、カメラマン、など本当にいろんな人がDIYで作った空間に足を運んでくれた。その追加レポートと一番人気のTシャツ結果も来週、RFCJのニュース&ブログで発表します。
ちょうど同時期に公開された映画『NIGHTCLUBING』でプロモ来日をしていたダニー・ガルシア監督とフォレストヒルズ出身のDJ、アンクル・マイクも遊びに来てくれてギャラリーで写真を撮りまくり「ここは東京。君たちは日本人。僕はフォレストヒルズから来たけれど、ここの共通言語はRAMONESだ」と言ってギャラリーは一気に盛り上げてくれた。
いろんな秘話や当時の話もまだまだ書ききれない。88年に組み立て式看板を掲げていた追っかけ軍団の一人が当時の看板を持って遊びに来てくれた。こうやっていろんなRAMONESにまつわる大事なことや人が日比谷のビルに集結し繋がった。ロックの話は毎日延々と止まらなかった。
コメントには「ここは天国か?」「一枚は選べません」「全Tシャツに解説がについてて面白かった」「見たことないTシャツばかりだった」「自分が買ったLサイズのTシャツが当時、残り物だと思ってたら、Lサイズしか販売しなかったという事を20年以上経過した今日知った」など。熱心なコメントが多々。
RFCJのスタッフ、関わってくれたミュージシャン、関係者、そして道に迷いながらもたどり着いてくれたRAMONES Tシャツが好きのファンが来てくれたからあの空間が輝いた。どのTシャツが「人気No. 1 Tシャツ」になったのか。結果は5/9(火)のRFCJ ニュース&ブログで発表します。お楽しみに。GABBA GABBA HEY!
JUGEMテーマ:ROCK
- Author : YUKI KUROYANAGI
- RAMONES
- 01:05
- comments(0)
- -
- -
- -
- コメント
- コメントする
- calendar
-
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
- selected entries
-
- 100枚のRAMONES Tシャツを見てくれてありがとう (05/05)
- categories
- archives
-
- March 2024 (1)
- January 2024 (4)
- December 2023 (1)
- October 2023 (2)
- September 2023 (3)
- August 2023 (3)
- May 2023 (2)
- April 2023 (1)
- March 2023 (1)
- February 2023 (1)
- January 2023 (2)
- December 2022 (2)
- November 2022 (5)
- October 2022 (1)
- August 2022 (1)
- July 2022 (2)
- June 2022 (3)
- May 2022 (2)
- April 2022 (1)
- March 2022 (2)
- February 2022 (4)
- January 2022 (3)
- November 2021 (1)
- October 2021 (3)
- September 2021 (4)
- August 2021 (4)
- July 2021 (5)
- June 2021 (2)
- May 2021 (3)
- April 2021 (3)
- March 2021 (5)
- February 2021 (2)
- January 2021 (2)
- December 2020 (1)
- November 2020 (2)
- August 2020 (5)
- July 2020 (2)
- June 2020 (4)
- May 2020 (2)
- April 2020 (3)
- March 2020 (7)
- February 2020 (2)
- January 2020 (4)
- December 2019 (1)
- November 2019 (2)
- October 2019 (1)
- September 2019 (1)
- August 2019 (1)
- July 2019 (2)
- June 2019 (1)
- May 2019 (2)
- April 2019 (1)
- March 2019 (4)
- February 2019 (3)
- January 2019 (6)
- December 2018 (1)
- November 2018 (3)
- October 2018 (2)
- September 2018 (5)
- August 2018 (4)
- June 2018 (2)
- May 2018 (3)
- April 2018 (4)
- March 2018 (7)
- February 2018 (4)
- January 2018 (5)
- December 2017 (3)
- November 2017 (6)
- October 2017 (2)
- September 2017 (1)
- August 2017 (4)
- July 2017 (3)
- June 2017 (3)
- May 2017 (1)
- April 2017 (5)
- March 2017 (4)
- February 2017 (5)
- January 2017 (5)
- December 2016 (4)
- November 2016 (1)
- October 2016 (7)
- September 2016 (3)
- August 2016 (3)
- July 2016 (3)
- June 2016 (6)
- May 2016 (4)
- April 2016 (5)
- March 2016 (5)
- February 2016 (6)
- January 2016 (7)
- December 2015 (6)
- November 2015 (7)
- October 2015 (8)
- September 2015 (6)
- August 2015 (7)
- July 2015 (7)
- June 2015 (8)
- May 2015 (6)
- April 2015 (7)
- March 2015 (7)
- February 2015 (11)
- January 2015 (8)
- December 2014 (8)
- November 2014 (8)
- October 2014 (12)
- September 2014 (9)
- August 2014 (5)
- July 2014 (8)
- June 2014 (13)
- May 2014 (7)
- April 2014 (13)
- March 2014 (7)
- February 2014 (11)
- January 2014 (10)
- December 2013 (11)
- November 2013 (16)
- October 2013 (13)
- September 2013 (12)
- August 2013 (8)
- July 2013 (11)
- June 2013 (11)
- May 2013 (12)
- April 2013 (20)
- March 2013 (12)
- February 2013 (12)
- January 2013 (12)
- December 2012 (14)
- November 2012 (19)
- October 2012 (21)
- September 2012 (19)
- August 2012 (16)
- July 2012 (18)
- June 2012 (19)
- May 2012 (18)
- April 2012 (20)
- March 2012 (16)
- February 2012 (16)
- January 2012 (19)
- December 2011 (17)
- November 2011 (21)
- October 2011 (21)
- September 2011 (15)
- August 2011 (20)
- July 2011 (21)
- June 2011 (20)
- May 2011 (16)
- April 2011 (18)
- March 2011 (18)
- February 2011 (22)
- January 2011 (19)
- December 2010 (16)
- November 2010 (24)
- October 2010 (24)
- September 2010 (24)
- August 2010 (26)
- July 2010 (22)
- June 2010 (22)
- May 2010 (19)
- April 2010 (15)
- March 2010 (2)
- February 2010 (1)
- January 2010 (1)
- recent comment
-
- ベトナム人の人生観
⇒ yuki (01/18) - ベトナム人の人生観
⇒ ミズサワさん (01/15) - 見直しに、ハマる
⇒ RS (05/22) - 『L7:プリテンド・ウィ・アー・デッド』日本公開決定!
⇒ Jennifer キャンベル (02/26) - 10代、20代がイイネ
⇒ カイト (02/08) - 今年の漢字は「本」
⇒ 桂子サマ (01/11) - 今年の漢字は「本」
⇒ 堤 桂子 (12/27) - 祝・L7の復活
⇒ ユキ (03/01) - 祝・L7の復活
⇒ れもん (02/22) - 愛情しか感じない最高の写真
⇒ ユキ (06/21)
- ベトナム人の人生観
- profile
- search this site.
- sponsored links
- mobile
- powered
- 2008JUGEMキャラコングランプリ
キャラクターデザイン:磯崎洋助/「おしゃれひつじ」